ナワトル語

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ナワトル語
nāhuatl
話される国 メキシコメヒコ州プエブラ州ベラクルス州イダルゴ州ゲレーロ州モレロス州オアハカ州タバスコ州ミチョアカン州ドゥランゴ州ハリスコ州
地域 北アメリカ
話者数 150万人以上
言語系統
ユト・アステカ語族
公的地位
公用語 メキシコ(「言語の権利に関する法律」により)
統制機関 Secretaría de Educación Pública
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-2 nah
ISO 639-3
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分布

ナワトル語(ナワトルご、nāhuatl [ˈnaːwatɬ] ( 音声ファイル))は、ユト・アステカ語族に属する言語で、2015年現在、メキシコなどで推定170万人の話者を要する。2003年に施行された「先住諸民族の言語権に関する基本法」(Ley General de Derechos Lingüís­ticos de los Pueblos Indígenas) によって、スペイン語や他67の先住民語と同等に、名目上はメキシコの公用語とみなされている。

概要[編集]

ナワトル語は話者数でいえば北アメリカ大陸最大の先住民語で、メソアメリカの広い地域で共通語として使われていた。こうしたバイリンガルの有名な例はマリンチェである。彼女はマヤ語をナワトル語に翻訳することができた(また、コルテスのためにのちにスペイン語も修得することになる)。

話者数は推定170万人とされており、この方言の中にはナワトル語話者同士でも意志の疎通が困難なものもある。すべてのナワトル語は程度の差こそあれ、様々な面でスペイン語の影響を強く受けている。

古典ナワトル語はメキシコ盆地で話されていた方言で、名称に反して、比較的影響地域が狭く革新的な方言である。現代ナワトル語で古典ナワトル語のすべての特徴を受け継いでいる方言はないが、ミルパ・アルタ方言など、メキシコ盆地の現代ナワトル語は古典ナワトル語的な特徴をもっている。

アステカ人はナワトル語圏文化の影響を強く受けている。テパネカ族、アコルワ族、トラスカルテカ族、ソチミルカ: Xochimilca)族もその例である。ナワトル語がテオティワカンで話されていた可能性はかなり高い。これらの部族が優位に立つにつれ、特にアステカ帝国の権勢の後の古典ナワトル語は、メソアメリカの広い地域で共通語として使われるようになった。こうした状況は12世紀に始まり、スペインがメキシコに侵入する16世紀まで続いた。

分類[編集]

Nahuan(ナワン)とNahuatl(ナワトル)とNahuat(ナワト)とNahual(ナワル)で区別がされる場合がある。これらの違いを重視することによってなされる分類は現在はかつてほど重要視されていないものの、いまもこれらの用語は微妙に使いわけられ続けている。しかしながら、Nahuatlが現在はもっとも当該の語族および異形体を指すのによく用いられる用語である。

ナワトル語はホピ族などの北アメリカ西部の部族が使う言語と関係しており、これらの言語はすべてユト・アステカ語族に属す。ここには61の言語が属している。

簡単なナワトル語の例[編集]

ナワトル語源の語:

特徴的な子音 "tl" /t͡ɬ/ は本来なんともカナ表記しがたい珍しい音である。音声学的には無声歯茎側面破擦音側面開放による破擦音)である、などと記述される。 この音を単独で表現できるラテン文字が見当たらないために、2文字の組字があてられているが、音韻としては単一の音素である[1]

脚注[編集]

  1. ^ 例えるなら、英語の sh ( s と h とに分けることができない)のようなもの。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]